
(青少年教育)に“私”の貢献と参加をどのように確保、発展させるかであろう。
“私”の貢献と参加をここでのテーマに則していえば、“地域に根ざす”ことの実現である。
■地域を創る
社会学などの専門領域だけではなく、地域や地域社会という言葉は日常的に用いられている。また、外来語であるコミュニティを用いることもしばしばである。コミュニティは共同社会、地域社会などと訳されているが、そのままコミュニティと表現されるようになったのは、昭和44年(1969年)に発表された「コミュニティー生活の場における人間性の回復」(総理府・国民生活審議会・調査部会)からではないかと考えられ、けっして古いことではない。
それぞれの「青年の家」は、当然のことだがある特定の地域に設置されている。そこで、まず地域についてのいくつかの一般的な考え方を整理しておきたい。
?@明示できる一定の範囲(自然、行政単位など)
?A人間の集合・集団・組織
?B地域に住み、働いている人々に共通する事柄
?C共通する価値観(感じ方、考え方、行動の仕方など)
?D未来指向的な地域ある「青年の家」で、その施設に出入りする青年たちによって、地域の商店街の現状調査を行ったことがある。そのアクションによって地域と青年たちのさまざまな交流が発展した。よそからやってきた青年たちが、「青年の家」のある地域の人たちを訪問し、伝統的な慣習についての聴き取りを試みたことが、地域文化の保存と継承に一役をかったわけである。
このような事例は各地で見られるが、どうも発想がマンネリ化して行きづまっているように感じられている。そこで、上記に紹介した地域についての考え方を手がかりとして、「青年の家」が地域にいかに根ざしているか、また、どのように根ざすかにあたっての手がかりとなろう。
具体的にいえば、それぞれの項目にもとづいて現状を点検することを通して、「青年の家」がどのように地域に根ざしているかを把握することである。
筆者はかつていくつかの規模・形態の青少年教育施設の責任者として勤務した経験にもとづき、地域と施設とのつながりを点検する手がかりとなる簡単なチェックリストを作成したことがある。参考として以下に提示する。
10項目のそれぞれのチェックを、さまざまな立場にある人によって個別にまず実施し、次にグループ討議によって相互的に検討する。なお、個人によるふりかえりとグループ討議の過程(プロセス)が重要であり、結果としてスタッフの指導性の向上、組織開発(一般にし)われているリストラとは異なる意味での組織改革)という成果を得ることが可能となる。
?@その地域が有している自然の特性を十分に把握し、生かしているか。
?Aその地域が有している自然の特性を十分に把握し、生かすにあたって、一般に試みられていない独自(ユニークネス)な方法が試みられているか。
?Bその「青年の家」のスタッフおよび支援者が、その地域にあるさまざまな集合集団・組織の一員となっているか。
?Cその「青年の家」のスタッフおよび支援者
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